21. 活用・活用形 (1) 動詞

      21.1 動詞の活用   (付録:動詞リスト)

      21.2 イ形容詞の活用

      21.3 ナ形容詞と名詞述語

      21.4 デス・マスの活用

      21.5 デアルの活用


 活用とは、述語が、文の中での働き方の違いによって形を変えることです。それを使う側から言えば、一つの述語をいろいろな場合に合わせて「活かして用いる」わけです。「文の中での働き方」とは、一つにはその形自身がどんな意味を表わすかということで、もう一つはその後の要素にどうつながるかということです。そこで文が終わるのか、後のどんな要素に(それがある意味を表わします)つながるのか、ということです。

 具体的な例で言うと、動詞「話す」の活用形「話す・話した・話せ・話そう」はそれだけで述語になり、文の終りに来ることができ、それぞれある意味を表わします。それに対して、「話さ・話し」は後に要素が続いて、「話させる・話したい」などの形になって一つの意味を表わします。この場合、接続するときの形は決まっていて、「×話しせる・話さたい」などは間違いです。このように、述語が「話-す・した・せ・そう・さ・し」のように、表す意味と接続のし方によって形を変えることを「活用」と言います。

 活用する語の、変化しない部分を「語幹」、変化する部分を「語尾」と言います。これは、活用形の一覧表を作る中で取り出すことができます。「話す」の場合は、語幹は「hanas-」までなので、ローマ字を使わないと書けません。語尾は「-u,-e,-oo」などになります。

 動詞の「読む」を例にしましたが、他の述語(形容詞・名詞述語)および助動詞などでも基本的な考え方は同じです。

 述語が変化するという文法現象は多くの言語にあるので、学習者にとって特に珍しいことではないでしょうが、一つ一つの活用形が身に付くまでには相当の練習が必要です。

 日本語の述語の活用は、基本的にはそんなに複雑なものではありません。特に動詞の活用は、例えば英独仏語などと比べると、ずっと規則的で覚えやすいものです。ただ、学習者によけいな負担をかけないために、教師はその提出順と練習に工夫をしなければいけません。ここでは、どう教えるかには触れられませんが、活用の体系をできるだけ整理して述べたいと思います。その際、理論的な体系性を重視するよりも、日本語教科書の提出順を考慮して説明していきます。また、できるだけ実際にそれらの活用形を覚え、使っていく立場から考えてみたいと思います。


21.1 動詞の活用

 まず、動詞の活用について考えます。これまでの動詞文の例文の文末はすべて「-ます/ません/ました/ませんでした」でした。いわゆる「丁寧体」の現在と過去の肯定・否定の形です。(「丁寧体・普通体」については「22.文体について」で説明します)        

 これらは事実の表現として最も基本的なものですが、実際の言語表現にはもっとさまざまの表現があります。

 例えば、話し手が自分の希望を述べる時は、「-たい(です)」という形になります。聞き手に対して何かの動作を勧める時には、「-ましょう」という形を使いますし、何か動作を頼む時には「-てください」などの形を使うでしょう。

 また、「複文」の所で述べるように、文の後にさらに文をつなげて行くような場合は、「~て、~」などの形になります。

 このように、文末や文中で、さまざまな意味を表すための表現に応じて、動詞は形を変えます。動詞「見る」「話す」のいくつかの表現を並べてみましょう。

     見ます             話します

     見たいです           話したいです

     見るでしょう          話すでしょう

     見て下さい           話して下さい

     見なくてもいいです       話さなくてもいいです

     見られました          話されました

     見ようと思います        話そうと思います

     見て、~            話して、~

     見、~             話し、~

     見た後で、~          話した後で、~

     見れば、~           話せば、~  

 これらは動詞を使ったさまざまな表現のほんの一部です。ここに現れている「見る・見て・見よう・見た」「話す・話して・話そう・話した」などが、動詞「見る」「話す」(この形は「基本形」です)の活用した形です。

 最初にあげた「-ます/ません/ました/ませんでした」も「ます」がさらに「現在・過去」「肯定・否定」という意味に応じて活用したものです。(この本では「ます」は助動詞ではなくて「接辞」と考えます。


21.1.1 動詞の活用の型 

 動詞の活用には3種類の型があります。いろいろな呼び方がありますが、ここでは「五段・一段・不規則」活用と呼んでおきます。そして、それぞれの動詞を「五段動詞」のように呼びます。一段動詞は、その基本形の語幹の母音の違いによって大きく二つに分けられます。そして、それぞれ「イル動詞・エル動詞」と呼ばれることがあります(国文法で「上一段活用・下一段活用」というのはこれです)。以下でも、必要な時にはそう呼ぶことにします。それぞれいくつか例を挙げておきましょう。

   五段動詞   書く・話す・立つ・死ぬ・読む・取る・会う・泳ぐ・飛ぶ

   一段動詞   いる・落ちる・着る・見る(イル動詞)

          あげる・寝る・食べる(エル動詞)

   不規則動詞  する・勉強する・びっくりする  来る・持ってくる 

 一段動詞の基本形(辞書に出ている形を「基本形」と呼ぶことは「0.はじめに」で述べました)は、上の例からも予測できるように、すべて「-る」で終ります。そしてその前の母音が「-iる、-eる」のように「i」か「e」のどちらかです。i、eのところは、具体的には「い、き、ち、に、・・・」「え、け、せ、て、ね、・・・」になります。一段動詞の変化は単純で、学習者にとって覚えやすいものです。

 五段動詞は、上の例に出した「-く、す、つ、ぬ、む、る、う、ぐ、ぶ」の9種類の終り方だけです。それ以外のものを見つけたら新発見です。

 五段活用は、後で見るように変化が複雑ですが、日常よく使われる基本的な動詞が多いので、学習者によく覚えてもらわなければなりません。

 不規則動詞は「する・来る」の二つと、それを要素にした動詞(勉強する・持ってくる、など)だけです。  

 これらの活用の型のいろいろな呼び方の対応表を掲げておきます。教科書での呼び方はさまざまですが、特徴的なものを代表として出しておきました。

「米教科書」というのは、アメリカのある教科書です。

   この本    国文法    教科書など     米教科書   言語学 

  五段動詞    五段    Ⅰ類(Ⅰグループ)   強変化動詞  子音幹動詞

                

  一段動詞    一段    Ⅱ類(Ⅱグループ)    弱変化動詞  母音幹動詞

   イル動詞    上一段   

   エル動詞    下一段 

  不規則動詞   変則    Ⅲ類 (Ⅲグループ)    混合変化 

   (する)    サ変   

   (くる)    カ変 


21.1.2 活用形

 動詞が活用した一つ一つの形を活用形と言います。活用形の呼び方もいろいろありますが、ここではできるだけ日本語教育で広く使われているものを使います。例として「話す」の活用形を、後で取り上げる順に並べてみましょう。

    ①マス形:話します   ⑦タリ形:話したり   ⑫受身形:話される

  ②中立形:話し     ⑧タラ形:話したら   ⑬使役形:話させる

  ③基本形:話す     ⑨バ形 :話せば    ⑭可能形:話せる 

  ④ナイ形:話さない   ⑩命令形:話せ   

  ⑤テ形 :話して    ⑪意志形:話そう 

  ⑥タ形 :話した   

 左に並べた六つが最も基本的なものです。これらなしでは、まったくやさしい会話すらできません。ただし、この中で「マス形」と「ナイ形」は厳密には活用形とは言いにくいものです。活用形というのは、動詞が変化した一つの形で、それ自身は変化しない、決まった形でなければなりません。けれども「話します」は、それ自身が、

     話します・話しません・話しました・話しましたら

などと変化してしまいます。「ナイ形」も同様です。

     話さない・話さなかった・話さなければ             

この二つと、いちばん右に並べた「受身形・使役形・可能形」の三つは、活用形というより「派生形」と言うべきものです。しかし、日本語教育では活用形と派生形を区別せずに、ともに「動詞の変化した形」として一緒に扱うことが多いですし、学習者にとってもそれでいいようなので、以下ではこの区別にあまりこだわらないことにします。


[国文法の活用表]

 日本語教育の活用形を具体的に見て行く前に、国文法・学校文法の活用表を参考にあげておきます。この表に対しては、いろいろな立場・観点から数多くの批判がなされていて、現代語の活用表として不適当なことははっきりしていると言っていいでしょう。ですから、とりあげる必要もないのですが、活用形・活用の型の呼び方にいまだに影響しているので、いちおう見ておきます。

国文法の動詞活用表

  型  行   例  語幹        語      尾        

               未 然  連用  終止  連体  仮定  命 令

               1234 12             1   2

  五段 サ  読む  よ  まままも みん   む   む   め  め 

     ラ  切る   き  らららろ りっ  る   る   れ  れ

  上一 ア  居る  (い)   い   い  いる  いる  いれ  いろ   いよ

     ラ  降りる  お   り    り  りる  りる  りれ  りろ  りよ

  下一 ア  得る  (え)   え    え  える  える  えれ  えろ  えよ

     サ  見せる  み   せ    せ  せる  せる  せれ  せろ  せよ

  カ変 カ  来る  (く)   こ    き  くる  くる  くれ  こい 

  サ変 サ  する  (す)  せしせし  し  する  する  すれ  しろ   せよ

     サ  信ずる しん  ぜじぜじ  じ  ずる  ずる  ずれ  じろ  ぜよ


 この表は『岩波国語辞典』の付録にあったものの一部です。これの説明をくわしく述べるのは、あまり意味のないことですから、後の議論に必要な点だけ述べておきましょう。

 未然形が4つもあるのは、「-ぬ、-ない、-(ら)れる、-(よ)う」に続く形をそれぞれ別に立てているからです。「-ぬ」は別としても、「ナイ形・受身形・意志形」をまとめて一つの活用形にする理由は、現代語に関してはありません。連用形の二つの形は、それぞれ「-ます、-て」に続く形です。

 この表の大きな問題点は、単語の切り方です。「読めば」や「読もう」を二つに分けて、語尾の後ろに付く「ば」を接続助詞、「う」を助動詞としたり、「読んだ」を連用形と助動詞「た」に分けたりする必要はありません。これらは現代語では一つの語と考えた方がいいのです。また、「語幹」の立て方がこれでは何だかわかりません。他にも問題がいろいろありますが、この表にあまりかかずらうことは止めにしましょう。

 さて、それでは一つ一つの形の作り方・用法を見て行くことにしましょう。まずは活用形の元になる「語幹」の形を示しておきます。


  語幹の形    

   五段動詞 子音で終わる   -k・s・t・n・m・r・w・g・b     

   一段動詞   母音で終わる     

      「イル動詞」 -i (いる・見る)     

    「エル動詞」 -e (える・寝る)    

  不規則動詞  語幹を取り出しにくい     

           -s(する・愛する)  -k(来る・持ってくる)     

     

 では、各活用形を見ていきます。まず、「マス形」から。以下では、「読む」を代表例にします。

 

①[マス形:読みます]

 「-ます」で終る形で、丁寧体の「現在・肯定」の形です。日本語教育にとっては最も基本的な活用形です。国語教育では「連用形」として「読み」までで一つの活用形とします(そしてなぜか「読ん」も同じ連用形とされます)が、日本語教育では「読みます」全体を一つのまとまりとして扱います。この全体が一つの意味をもち、働きを持っているわけですから。

 この形自体が変化をし、「-ません・ました・ませんでした」となるということを考えると、一つの「活用形」というより「派生形」とするべきなのでしょうが、その問題にはこだわらないことにします。

 ここでちょっと「-ます」の前の母音について考えてみましょう。すべての動詞が、「i」か「e」のどちらかです。


  マス形の形(「-ます」の前の母音)  

   五段動詞 みな「i」   

     読みます:yom-iます  書きます:kak-iます  

   一段動詞   

    「イル動詞」「i」   

       見ます:mi-ます   います:i-ます  

    「エル動詞」「e」   

      寝ます:ne-ます   食べます:tabe-ます   

   不規則動詞 「i」   

      します:si-ます   来ます:ki-ます   

   

 以上のように、一段動詞の「エル動詞」のほかはみな「-iます」になります。逆に言うと、「-eます」であれば「エル動詞」だということで、他の活用形を作ることができます。例えば、「かけます」という形の動詞は一段動詞で、基本形は「かける」だということが、活用形の作り方を知っていれば、わかります。

     kake-masu → kake-ru

 しかし、例えば「おきます」という動詞の基本形はマス形だけでは確定できません。一段動詞か五段動詞かわからないからです。事実、この場合は両方あります。

     oki-masu   oki-ru(起きる)

     ok-imasu   ok-u(置く)

 この「ある活用形から他の活用形がわかるかどうか」は、日本語教育の観点からは重要なことです。


②[中立形:読み]

 この「読み-」のような、「-ます」へ続く形は、他の用法が多いです。

     読みたい(希望)  読みそうだ(推量) 読みに行く(目的)

     読みながら(並行動作)  読み、~(並列) 

     読み始める(複合動詞)  お読みになる(敬語) 

 このような文型の中の「読み」という形をどう呼ぶかで、ちょっと困ります。「マス形のマスを取った形」というのも変ですし。「マス形」という用語は広く使われていますし、「テ形」と共に、古い活用形の呼び方に対する新しい呼び方の代表的なものです。ある教科書では「読み-」自体を「マス形」と読んでいますが、そうすると、「読みます」は「マス形にマスを付けた形」ということになります。それもどうも・・・。

 別のある教科書では「読みます」は「マス形」と呼び、「読み」を連用形としています。そして、「読んで」は「テ形」とします。これも一つのやり方だと思います。ただし、国語教育では「連用形」は「読み・読んで」の両方を言うので、ちょっと誤解を招きやすいのが欠点です。

 理論的な文法研究では、「読んで」を「テ形」と呼ぶような新しい名付けをした場合、「読み」は「中止形」と呼ぶことが多いようです。「中止」というのは適当でない(「途中で止める」という意味?)と考えてか、「中立形」と呼ぶ人もいます。私としてはこれがいいのではと思っています。「読み-」までは、後がどうなるか決まっていない中立的な形ですから。「読みます」は全体で一つの形「マス形」と呼び、「読みたい」「読みながら」などは「中立形+たい・ながら」とするのです。ただ、この「中立形」という名称は日本語教育の中で一般的なものではありません。上に述べたように、それぞれのやり方でやっている、というのが実情です。

 なお、一段動詞では中立形は語幹と同じ形です。しかし、そのさまざまな用法を「語幹の用法」とするのは、無理な話です。五段動詞と違った分析になってしまいますから。


③[基本形:読む]

 日本語教科書では「辞書形」と呼ぶことが多いです。学習者にもわかりやすいのでいい名前だとは思いますが、ここでは「基本的な形」だからこそ辞書の見出しに使われるのだ、と考えて「基本形」と呼ぶことにします。

 いろいろと用法の多い、まさに基本的な形です。

     読む。(普通体の現在・肯定)   読むと思う(間接引用)

     読むと(条件) 読むから・読むので(理由)

     読むのに(目的・逆接)   読むために(目的・理由)

     読むが・けれども(逆接)   読むし(並列)

     読むのが好きだ(形式名詞ノ・コトを付けて名詞節となる)

     読むとき・まえ・あと・あいだ・うち(時の連用節)

     読むN(連体修飾)  読むところ・だけ(形式名詞・副助詞に)

 基本形はみな「-u」で終ります。前に述べたように、一段動詞はみな「る」で終り、五段動詞は「-く、す、つ、ぬ、む、る、う、ぐ、ぶ」で終ります。

ということは、基本形が「る」以外で終るものはみな五段動詞だ、ということです。学習者にとって、ある動詞が五段動詞か一段動詞かがわからないと、動詞を正しく活用させることができませんから、このことは重要なことです。

 さて、「る」で終わるものは、五段動詞か一段動詞になるわけですが、一段動詞は「-iる」か「-eる」かのどちらかですから、「-aる・-uる・-oる」で終るものは五段動詞だとわかります。実際の例は「なる・つる・とる」などです。もちろん、不規則動詞の「する・来る」は別です。

 

  基本形の形  みな「-u」で終わる 

     五段動詞   語幹にuが付いた形 

          -ku(書く) -tu(立つ) -mu(読む) 

          -gu(泳ぐ) -nu(死ぬ) -ru(取る) 

          -su(話す) -bu(飛ぶ) -(w)u(会う)

     一段動詞   語幹にruが付いた形 

          -iru(いる・着る・落ちる) 

     -eru(得る・変える・寝る)

     不規則動詞 

          -uru(する・来る) 

 

ある動詞が五段動詞だとわかれば、基本形から他の活用形を作ることができます。例えば、マス形は語尾の「u」をとって「-iます」を付ければいいわけです。(書く→書きます)

 前に述べたように、マス形だけからは「エル動詞」がわかるだけで、五段動詞かどうかはわかりません。その点からいうと、学習者がある動詞の形を覚える場合、その形がマス形であるより、基本形であるほうが望ましいと言えます。例えば、学習者の頭の中で「to read 」を「読みます」と記憶するよりも「読む」という形で覚えるほうが、それが五段動詞であるという情報も含むので、いいというわけです。


[五段動詞と一段動詞の区別]

 基本形を見れば、大部分の五段動詞はそうだとわかるのですが、「-eる・-iる」で終る五段動詞は、一段動詞と区別がつきません。例は「帰る・蹴る・切る・知る」などで、基本的な動詞が含まれています。数はあまり多くありませんが、これらが存在するために、「変える・得る・着る・煮る」などの一段動詞の基本形と比べて、どちらが五段でどちらが一段かはわからないので、ちょっと困りものです。初めてこれらの動詞に出会ったときには、もう一つの活用形、例えばマス形を確かめれば、活用の種類がわかります。つまり、動詞の形を一つだけ覚えるのではなく、基本形とマス形をセットにして覚えるのがいい、ということです。

     「かえる:かえります」は五段動詞

     「かえる:かえます」は一段動詞 

     「きる:きります」は五段動詞(kir-u,kir-iます)

     「きる:きます」は一段動詞(ki-ru,ki-ます)

 もう一つの方法は、「-eる・-iる」で終る五段動詞の主なものを覚えてしまうことです。そうすれば、それら以外の「-eる・-iる」で終る動詞はたぶん一段動詞だろう、と予測することができます。そうは言ってもけっこう数は多いのですが。付録としてその表をのせておきますので、参考にしてください。


④[ナイ形:読まない]

 ナイ形は基本形の否定形です。基本形の用法の多くに、その否定として対応します。

     読まない。(普通体の現在・肯定)

     読まないと(継起) 読まないから・読まないので(理由)

     読まないのに(目的・逆接)  読まないために(目的・理由)

     読まないが・けれども(逆接)  読なないし(並列) 

     読まないのが好きだ(形式名詞ノ・コトを付けて名詞節となる)

     読まないとき・まえ・あと・あいだ・うち(時の連用節)

     読まないN(連体修飾)

 以上はすべて基本形のところであげた用法です。これ以外に特にナイ形の特徴的なものとしては、次のようなものがあります。この中には次の「テ形」と対応するものがあります。

     読まないでください(否定の依頼、「読んでください」と対応)

     読まないほうがいい(否定の忠告、「読んだほうがいい」と対応)

     読まなくてもいい(否定の許可、「読んでもいい」と対応)

     読まなくてはいけない(義務、「読んではいけない」と対応)

 ナイ形も「なかった・なくて・なければ」などと変化するので、厳密には活用形の一つというより「派生形」ですが、学習者のわかりやすさを考えて、特に他の活用形と区別しないことにします。

 作り方は、活用の型と基本形がわかっていれば簡単です。

 

  ナイ形の作り方

   五段動詞  基本形の語尾-uをaに変え、-naiを付ける

      yom-u → yom-a-nai 

      ir-u  → ir-a-nai(要らない) 

    ☆「買う・言う」など「う」で終るものは「kaw-a-nai」の

     ように「w」が現れます。つまり、この「う」は「あ行」ではなく

     「わ行」の「う」だと考えられます。

    ☆「ある」のナイ形は「×あらない」とはならず、単に形容詞の「ナイ」

     が使われます。例外です。 

   一段動詞  語幹に-naiを付ける 

      i-ru  → i-nai(居ない) 

      ne-ru → ne-nai  

   不規則動詞 

      する → しない     来る → こない 

 

 ナイ形はどの動詞も「-ない」で終ります。そして、そのまえに来る母音を見れば、活用の型がわかります。「a」なら五段動詞、というように。ですから、初めて見た動詞でも、それがナイ形だとわかれば、基本形を言い当てることができます。「おらない・おりない・おれない」の基本形はそれぞれ「おる・おりる・おれる」です(それを、上の「ナイ形の作り方」から逆にちゃんと説明できますか?)。基本形の場合にも、このようにはっきり活用の型が区別できるようになっていれば、学習者にとって便利だったのですが。


⑤[テ形:読んで]

 テ形はマス形・基本形と並んで、日本語教育上の最も重要な活用形です。用法の広さもありますが、大きな特徴はその形作りの難しさにあります。テ形がきちんと言えるか、がその学習者が初級のある段階を無事通過したかの目安になります。まずその形の作り方から見てみましょう。

 基本形からテ形を作る規則を覚えることが、学習者には必須です。特に五段動詞の語幹の末尾の子音に注目します。語幹の形が変わってしまうという点が大きな特徴です。(この変化は「音便」と呼ばれます)

 

 テ形の作り方 

  五段動詞 

   1 -k-u →-いて 書く、置く、敷く  例外:行く→行って

   2 -g-u →-いで 泳ぐ、急ぐ、注ぐ 

   3 -s-u →-して 話す、戻す、押す 

   4 -t-u →-って 立つ、打つ、勝つ 

   5 -r-u →-って ある、売る、折る 

   6 -(w)-u →-って 買う、言う、吸う(ワ行)

   7 -m-u →-んで 飲む、住む、読む 

   8 -n-u →-んで 死ぬ   (これは一語だけ)

   9 -b-u →-んで 飛ぶ、遊ぶ、選ぶ

  一段動詞 

    -i-る → -i-て  見る、起きる、いる

    -e-る → -e-て  寝る、食べる、得る

  不規則動詞 

    する → して   来る → 来て 

 

「買う」などは、ナイ形のところで見たように、「わ行」とみなし、「w」を補って考えます。

 以上見てすぐわかるように、五段動詞が複雑です。マス形・基本形・ナイ形で共通していた「-u」の前の子音が変化してしまうか、「u」の代わりの母音(マス形なら「i」、ナイ形なら「a」)が消えてしまうかするものがほとんどです。唯一自然な形(?)となるのが「s」のサ行の動詞です。

 「k・g」では子音が姿を消します。「k」と「g」の違いは、「g」のほうが「で」となって濁音になっていることです。つまり「く:ぐ=て:で」です。「t・r・w」では母音がなくなり、みな「って」の形になります。「m・n・b」の場合も母音がなくなり、「んで」という同じ形になります。

 似たものをまとめると、

     k-g, s, t-r-w, m-n-b

の4種に大きく分かれることがわかります。

 さて、いくつかの子音の動詞が同じテ形になるということは、基本形が違うのに、テ形になると同じ形になってしまう場合がけっこうあるということです。上の「t-r-w」「m-b」の例を挙げると、

     勝つ・刈る・買う → かって   読む・呼ぶ → よんで

となります。このような例を付録にあげておきましたので参考にして下さい。

 さて、テ形の用法は次のようなものです。

  読んでください(依頼など)

  読んでいる・てある・ておく・てしまう・てみる・ていく・てくる(アスペクトなど)

  読んであげる・くれる・もらう・やる・さしあげる・くださる・いただく(授受)

  読んでもいい・てはいけない(許可・禁止)

  読んでばかりいる(限定)

  読んで(並列など)   読んでから(時)

  読んでも(条件)    読んでは(条件)

 日常の使用頻度の高いものが多いので、活用形の作り方の難しさを克服して完全に習得する必要のある活用形です。 


⑥[タ形:読んだ]

 タ形は「普通体」の過去の形です。基本形とはテンス・アスペクトの違いで対立します。したがって、多くの用法が基本形と対応します。

     読んだ。(普通体の過去・肯定)

     読んだから・読んだので・読んだために(理由)

     読んだのに(逆接)  読んだが・けれども(逆接)

     読んだとき・あと・あいだ(時の連用節) 読んだし(並列)

     読んだN(連体修飾)

     読んだところ・だけ(形式名詞・副助詞に)

     読んだことがある(経験)  読んだほうがいい(勧め)

 以上の用法の中で、基本形に対立して「タ」の持つ「過去・完了」という意味が強く出るものと、そうでもないものがあります。

 形の作り方は、テ形と共通します。つまり、テ形の母音「e」を「a」に置き換えるとタ形になるので、基本形からの作り方はテ形のところを見てください。テ形のほうを先に教える教科書では、「-て(で)」を「-た(だ)」にする練習をして終りです。

 さまざまな用法を持ち、日本語文法のあちこちに現われる活用形は以上で終りです。次からは、使われ方が限定された活用形を取り扱います。いわば一活用形一用法に近いものです。ここでは紹介だけにして、くわしいことはそれぞれの文型の所で述べますので、そちらを見てください。


⑦[タリ形:読んだり]

 このタリ形と次のタラ形は、タ形から作られます。タリ形はタ形に「り」を付けるだけです。用法は複文の「47.並列」を見て下さい。


⑧[タラ形:読んだら]

 これも形はタ形に「ら」を付けるだけ、あるいはタリ形の最後の母音「i」を「a」に変えるだけです。この形は「49.条件」の用法が重要ですが、ムードの「33.勧め・忠告」で最初に使います。


⑨[バ形:読めば]

 これも「条件」です。「読めばいい」や「読めば読むほど」という文型の中にも現われますが、それらも元は「条件」の用法です。形の作り方は「33.4 V-ばいい」のところを見てください。


⑩[命令形:読め]  

「命令」を表わします。形の作り方と用法は「ムード」の中の「命令」を見て下さい。(→ 34.1)


⑪[意志形:読もう]    

 ふつうは「意志・勧誘」を表わします。これも「ムード」です。形の作り方はそこで説明します。(→ 32.4)「ふつう」でない場合というのは、

     そういうこともあろう。

     このように言うこともできよう。

のような書きことばの文体で、意志形が「推量」の意味に使われることがあるからです。それは「ムード」の中の「38.9 推量」を見てください。


⑫[受身形:読まれる]

 「受身」の形ですが、敬語の尊敬語としても使われます。また、一段動詞の可能の形でもあります。「自発」の形でもあります。これらはすべて「ボイス」です。用法が広いようですが、もともとは同じものと考えられます。形は「ボイス」の「25.2 受身」のところで。


⑬[使役形:読ませる]

 「使役」の形です。「使役」という聞き慣れない言葉の意味とともに、形は「ボイス」の「25.3 使役」のところで説明します。 


⑭[可能形:読める]

 「可能」を表わします。これも「ボイス」です。五段動詞は特別な形ですが、一段動詞は受身形と同じ形になります。(→ 25.4.2)

    

21.1.3 活用表

 さて、以上の活用形を一つの表にしたものを、「活用表」と言います。活用表の作り方、つまりは各活用形の並べ方にはいろいろなやり方がありますが、いちばんかんたんなのは五段活用で語尾の初めの母音が「aiueo」の順になるように並べることでしょう。これは学校文法でとられている方法です。

 これは、まったく理論的根拠のない方法で、多くの批判がなされています。なぜかと言うと、「あいうえお」という順序は、古代の音韻学で決められた順で、動詞の働きとは何の関係もありません。音声が変化し、かなづかいが変化すれば活用形の順番も変わってしまうからです。(読まむ→読もう)

 しかし、この方法には、学生にとって理解しやすく、覚えやすいという長所があります。研究者の理論によって並べられた、一見整然とした表よりも、順に思い出しやすい並べ方のほうがいいでしょう。 

 ここではそのように考えて、理論的整合性にはこだわらず、まず五段活用が「あいうえお」順になるように該当する活用形を並べ、次に五段動詞の音変化をともなうもの、最後に派生形をおきます。マス形は派生形ですが、学生にとって最初に学ぶ基本的な形なので、中立形と並べておきます。「読む」なら「読ま・み・む・め・も・ん(で)」となるわけです。結果的に、これはいくつかの教科書で掲げられている活用表に近いものです。

  

  活用形      五段動詞         一段動詞   

    ナイ形   書か-ない 読ま-ない   見-ない  寝-ない 

  マス形   書き-ます 読み-ます   見-ます  寝-ます 

  中立形   書き-   読み-     見-    寝-   

  基本形   書く    読む      見-る   寝-る  

  バ形    書け-ば  読め-ば    見-れば  寝-れば 

  命令形   書け    読め      見-ろ   寝-ろ  

  意志形   書こ-う  読も-う    見-よう  寝-よう 

  テ形    書い-て  読ん-で    見-て   寝-て  

  タ形    書い-た  読ん-だ    見-た   寝-た  

  タリ形   書い-たり 読ん-だり   見-たり  寝-たり 

  タラ形   書い-たら 読ん-だら   見-たら  寝-たら 

  受身形   書か-れる 読ま-れる   見-られる 寝-られる

  使役形   書か-せる 読ま-せる   見-させる 寝-させる

  可能形   書け-る  読め-る    見-られる 寝-られる

  

 一段動詞の語尾と対照させるために、五段動詞の語尾の初めの母音を語幹に付けた形で並べてみました。このほうが見やすいでしょうから。 

 次に、不規則動詞の表。こちらも語幹に母音を付けてあります。

 「不規則動詞」が「不規則」なのはどの点かと言うと、語尾の初めの母音が一つでないことです。それと「来る」の命令形が特別です。それらを除くと、比べてみればわかりますが、語尾は一段動詞と同じです。つまり、それほど「不規則」ではありません。学習者にもそう言っておくほうがいいでしょう。

 なお、「愛する」のナイ形が「愛さない」となったり、「信ずる」のバ形が「信じれば」となったりすることについては、後の「21.1.5 活用の例外」でとりあげます。

                            

  活用形    不規則動詞               

     ナイ形  し-ない  こ-ない                    

  マス形  し-ます  き-ます            

  中立形  し-    き-              

  基本形  す-る   く-る             

  バ形   す-れば  く-れば            

  命令形  し-ろ   こい              

  意志形  し-よう  こ-よう            

  テ形   し-て   き-て             

  タ形   し-た   き-た             

  タリ形  し-たり  き-たり            

  タラ形  し-たら  き-たら            

  受身形  さ-れる  こ-られる           

  使役形  さ-せる  こ-させる           

  可能形 (できる)  こ-れる            

                               

 以上の「活用表」は「形」から並べた単なる活用形一覧であって、動詞の活用形の「体系」を示したものではありません。各活用形の機能を考慮すると、例えば次のような表も考えられます。

    

    文終止           (派生形)

      基本形  読む     マス形 読みます   

      タ形   読んだ    ナイ形 読まない   

      命令形  読め     受身形 読まれる   

      意志形  読もう    使役形 読ませる   

                  可能形 読める 

    連用

     並列 中立形 読み    

        テ形  読んで                 

        タリ形 読んだり                

     条件               

        バ形  読めば                 

        タラ形 読んだら                             

                  

 この表は、各活用形が文の終りに使われるか、それとも文の途中で連用修飾の機能を持つかで分けたものです。派生形は別にします。連用の中では、意味的に大きく並列と条件に分けました。「並列」に入れた各活用形は実際にはいろいろな用法を持っています。


21.1.4 普通形・丁寧形

 また、上の表とは別の組み合わせも考えられます。例えば、肯定・否定、現在・過去の二つの軸を組み合わせて得られる四つの形は、文末の基本となる形です。

      普通形

         肯定        否定   

    現在   読む(基本形)   読まない(ナイ形)       

         過去  読んだ(タ形)    読まなかった(ナカッタ形)      

 この四つの形を「普通体の基本四形」、略して「普通形」と呼ぶことにします。複合述語や複文を形作る際にしじゅう必要とされる形のセットです。同様にマス形を肯定・否定、現在・過去の軸で活用させた四つの形、

  丁寧形

          肯定      否定

    現在    読みます   読みません  

    過去   読みました   読みませんでした    

を「丁寧形」と呼ぶことにします。

 「丁寧形」という言い方は、例えば、「読まない」の丁寧形は「読みません」だ、というふうに使われることが多く、上にあげた四つの形をまとめてそう呼ぶことはちょっと混乱の元になるかも知れませんが、複合述語や複文の中の述語の形を説明する際に便利なので、誤解が起きないように気をつけながら使うことにします。

 普通形を使う文型はたくさんあります。基本形・ナイ形・タ形に共通するものです。例は省略します。 

     普通体の文末  理由  逆接  並列  名詞節

     時の連用節  連体節 間接引用

 その中で、丁寧形を使えるものは限られます。

     丁寧体の文末  理由・逆接・並列の一部 

この使い方によって文体の丁寧さが変わります。


21.1.5 活用の例外

 さて、日本語の動詞の変化はきわめて規則的だと前に述べましたが、多少の例外はあります。「行く」のテ形「行って」と、「ある」のナイ形「ない」が例外であることはすでに述べました。それ以外の例外をまとめておきます。


① 敬語動詞

 まず、「敬語動詞」と言われる次の五つの動詞は、マス形と命令形に関して例外になります。

          基本形      マス形       命令形  

      いらっしゃる  いらっしゃい-ます  いらっしゃい  

    おっしゃる   おっしゃい-ます   おっしゃい   

    くださる    ください-ます    ください   

    なさる     なさい-ます     なさい  

    ござる     ござい-ます    (命令形なし)  

「る」で終わる五段動詞は、

    はかる  はかり-ます  はか-れ 

    さる   さり-ます   さ-れ 

となるのですが、上の五つの動詞ではマス形の「り」が「い」となり、命令形では「れ」が「い」となっています。これらは「敬語動詞」という共通の性格を持っているので、例外として記憶しやすいものだろうと思います。また、「ください」と「なさい」は動詞に接続して、それぞれ「依頼」「命令」を表す複合述語を作るので、敬語よりもそちらで先に見慣れた形になる可能性の高いものです。


② テ形

 それから、テ形の例外もあります。「問う・乞う」は文章語的で、テ形自体あまり使われませんが、もしテ形を問われれば、

     問う:問うて    乞う:乞うて

と言わざるをえません。「う」で終わる他の五段動詞なら、

     追う:追って    沿う:沿って

となるところです。


③ ~する 

 次に、不規則動詞「~する」の例外があります。「する」のナイ形は「しない」ですが、「愛する」のナイ形はふつう「愛さない」です。ほかにも「適さない」「解さない」「属さない」などがあります。

 これらの形は「愛す」「適す」「解す」という五段活用の動詞のナイ形だと見なせばいい、という考え方もありますが、それはどうもご都合主義の感じがします。例えば「訳す」のように「訳する」よりもずっと自然な場合は、「訳さない」は「訳す」のナイ形だと言えますが、「愛すること」のほうが「愛すこと」よりも自然でしょうから、一般によく使われる「愛さない」という形はやはり「愛する」のナイ形として考えた方がいいでしょう。

 このように「~さない」になるのは、「一字の漢語+する」の中で「する」のすぐ前に母音があるものだけです。こう言ってもかえってわかりにくいかもしれませんが、母音がないものとは次のようなものです。

    熱する:熱しない   罰する:罰しない (nes-suru, bas-suru) 

    反する:反しない (han-suru)   

また、和語の場合にも「~しない」となります。

    値する:値しない

 「信ずる・禁ずる」などの形は、硬い書きことばとして使われますが、終止形以外は「信じる・禁ずる」の活用形と同じだと考えられます。


◇付録:動詞リスト

-iru/-eru の五段動詞          [『動詞・形容詞問題語用例集』から]

:いる(要る)    -いる  たちいる       :かえる(帰る)

 いる(煎る)   おしいる  つけいる     ・かえる(返る)

:はいる入る    おそれいる  とりいる     くつがえる

・まいる参る    おちいる  ねいる       ひるがえる

:きる切る     ききいる  はじいる      :ける(蹴る)

 さえぎる     きえいる  ひきいる      かげる

・かぎる       こみいる  みいる       あざける

 しきる        しみいる   めいる      しける

 たぎる  ずりおちる              ・しげる

 ちぎる(契る)  みかぎる             ふける(耽る)

 ちぎる(千切る)   ききかじる         ・あせる

 みなぎる      -きる             ふせる(臥せる)

・にぎる        いいきる  ねじきる     :てる

 もぎる        うちきる   のりきる      ほてる

 よぎる        おしきる   ・はりきる     ・ねる(練る)

:しる(知る)    ・おもいきる  ふみきる     うねる

 アジる        かいきる   ふりきる     くねる

・いじる        かしきる   やききる     つねる

 ぎゅうじる      かみきる   わりきる    ・ひねる

・かじる       くいきる  ・うらぎる     おもねる

 きしる        しめきる    くぎる      :へる(減る)

 しくじる        だしきる   ねぎる       ・すべる

 そしる         たちきる  ・よこぎる       だべる

 なじる         つっきる   ちょんぎる      はべる

  ・ねじる       にがりきる  ぶったぎる    ・しゃべる

 ののしる   みくびる                 ・しめる(湿る)

:はしる   とりしきる                 のめる

 ほとばしる  にえたぎる

 ほじる   とびちる                -かえる

・まじる   ふみにじる                ・いきかえる  しずまりかえる

 むしる     -ばしる                あきれかえる  ふりかえる

 もじる      ちばしる               そっくりかえる   にえくりかえる

 やじる      さきばしる               ねがえる  ひっくりかえる

 よじる     にがみばしる             わかがえる  ふんぞりかえる

:ちる   いりまじる               まがりくねる

 ぐちる  かきむしる               おいしげる

 とちる  ふりしきる               よみふける

 いびる  ほめちぎる              ねそべる

 せびる

 びびる

◇イル動詞(上一段動詞) [『動詞・形容詞問題語用例集』から]

 いる鋳る   ・しみる染

:いる居る   ・こころみる

 いる射る   :おりる

 おいる      :かりる

 ひきいる     こりる

 くいる      :たりる

 むくいる

 しいる      ・とびおりる

・もちいる    きちがいじみる

:きる着る    しょたいじみる

:あきる     ですぎる

:いきる    ・ねすぎる

:おきる      ゆきすぎる

:すぎる     -じる

 つきる      あまんじる  うとんじる

 とじる綴じる    おもんじる  かろんじる

:とじる閉じる    さきんじる   そらんじる

・はじる      やすんじる

:おちる      漢字一字+じる(ずる)

    くちる       案  演   ・応

・おっこちる    :感  興  ・禁

 みちる       献  減  高

:にる似る      講  散  殉

:にる煮る      準  ・生  乗

:あびる      ・信  煎  ・存

 おびる       断  長  ・通

 かびる       転  点  投

 こびる      ・動  任  念

・さびる       封  弁  報

 しなびる      奉  ・命  銘

:のびる       免  ・論

 ほころびる   ・いきのびる

・ほろびる     ・にげのびる

 わびる侘びる   まちわびる

・わびる詫びる   おとなびる

:みる       ふるびる

 かんがみる     ひからびる

 しみる凍る

◇ 同音異活用の動詞リスト          

辞書形が同形で活用の違う動詞

   五段           一段

  要る・煎る        居る・射る・鋳る

  帰る・返る      変える・代・替・換  

 切る          着る

  しける(せんべい)     しける(海)

  湿る           閉める・締・占・絞

 練る           寝る

  ひねる(蛇口)    ひねる(性格)

  耽る           老ける・更ける

 臥せる(病)         伏せる

 減る           経る

      

   五段            不規則

 刷る・擦る・する(財布)    する

 繰る              来る


「~ます」の形が同じで活用が違うもの

  五段          一段

 行く           生きる     いきます

 追う・負う       老いる     おいます

 置く         起きる     おきます

 折る・織る・居る  降りる・下    おります

 刈る         借りる    かります

 食う        悔いる    くいます

 凝る        懲りる     こります

 付く・着・就・突く 尽きる    つきます


  不規則   一段

    来る    着る     きます


  不規則    五段

   異化する   生かす    いかします 

     

              



niwa saburoo の日本語文法概説

日本語教育のための文法を記述したものです。 以前は、Yahoo geocities で公開していたのですが、こちらに引っ越してきました。 1990年代に書いたものなので、内容は古くなっていますが、お役に立てれば幸いです。

1コメント

  • 1000 / 1000

  • sh l

    2024.08.12 21:00

    本当にありがとうございます! 連用形の定義は疑問があるので、沢山の資料を読んだけど、ずっと解決できなかったです。この文章を読んで、ようやくわかりました。本当に感謝したいです!