主要目次 まえがき 0.はじめに 第1部 単文(1)基本述語型 1.基本述語型の概観 2.名詞文 3.形容詞文 4.動詞文 5.名詞・名詞句 6.補語のまとめ 7.格助詞のまとめ 8.格助詞相当句 9.「は」について 10.修飾語 11.副詞 12.擬音・擬態語 13.数量表現 14.形式名詞 15.指示語 16.疑問語と不定語 17.比較構文 18.副助詞 19.終助詞 第2部 単文(2)複合述語 20.複合述語 21.活用・活用形 ...2019.04.03 12:48
62. 文どうしの関係 (2) 62.1 概観 62.6 転換 62.2 並ぶ・続く・加える 62.7 接続助詞と接続詞 62.3 論理的関係 62.8 理由説明 からだ・ためだ 62.4 言い換え 62.9 文脈説明 のだ・わけだ 62.5 付け足し 62.3 論理的関係:理由・条件 次に、二つの文が論理的関係を持っているものを見ます。まず、前の文が後の文の理由を表すもの。次に、前の文が条件を表す関係。最後に、後の文が前の文の理由になっているもの。そして、それに関連して、接続詞ではなくて、後の文の文末の形式が二つの文を関連づけるような表現を見ます。 62.3.1 だから・それで・そこで・で:理由(1) [だから] 連用節の「~から」と関係があります。前の文が、後の文の原因・理由を表わします。「だ」...2019.03.02 08:47
62. 文どうしの関係 (1) 62.1 概観 62.6 転換 62.2 並ぶ・続く・加える 62.7 接続助詞と接続詞 62.3 論理的関係 62.8 理由説明 からだ・ためだ 62.4 言い換え 62.9 文脈説明 のだ・わけだ 62.5 付け足し 62.1 概観 文と文の関係とそれを表す表現を見ていきます。その中心は、もちろん接続詞です。接続詞には、名詞などの一つの単語をつなぐもの、節と節をつなぐものがあり、それらについてはすでに見ました。(→ 5.10 、55.3) ここでは、独立した文と文との間に現われるものを見ていきます。 接続詞は文と文との関係を示すためのものですから、一つの文を記述するための文法では、本来説明できないものです。一つの文の...2019.03.02 08:19
61. 情報のつながり61.1 主題のつながり 「主題」について、文章の中でのその役割を考えてみましょう。「Nは」は、文の中ではその主題として「主題-解説」の構造を作ります。このことは前に述べました。そして、文章の中では、主題のつながり・転換によって文章の流れを作ります。また、無題文の挿入は、主題の流れを断ち切ることによって「語り」のリズムを作ります。このことを、具体的な例で見てみましょう。61.1.1 主題と段落 「自己紹介」の例で見たように、主題は文のつながりを緊密にし、段落を形作るために重要な役割を果たします。もう一度段落ごとに見てみましょう。 第一段落は、「わたし」を主題にした文で構成されています。 1. わたしはマナです。今年の4月にタイのバンコクから来ました。今、日本語学校の 学生で、19才です。 最初の文の「わたしは」が、第二、第三の文までかかり、独立した三つの文というより、1+0.5 + 0.5(主題+解説、+解説、+解説)という、半独立の文の連...2019.02.27 11:57
60. 文のつながり 60.1 概観 60.2 文のつながり方 60.3 まとめ60.1 概観 これまでは一つの文の中での文法を考えて来ました。以下では二つ以上の文の間に観察される文法事項について考えてみましょう。 一つの文は、話し手のある一つの「考え」をまとめたもので、その内容を相手に伝えるためのものです。しかし、言うまでもなく、話し手の頭の中にある「相手に伝えたいこと」は、一つの文だけで表せるものではありません。いくつもの文を連ねることによって、話し手は相手にそれを伝えようとします。 それらの文は、決して独立した文の集まりではありません。何らかの形で前の文とつながり、また、あとの文とつながることによって、まとまった内容を表します。 逆に、前の文とある程度切れることで、内容の切れめを示し、新たな内容を述べ始める、ということが行われます。 もちろん内容自体のまとまり、展開が重要...2019.02.26 12:22
59. 複文のまとめ 59.1 従属節内部の制限 59.5 複文の定義 59.2 従属節のまとまり方 59.6 文の構造のまとめ 59.3 連用節・連体節・名詞節 59.4 節と節のつながり方 「45.複文について」で概観した様々な従属節を一通り見てきました。ここで振り返ってまとめておきましょう。連用節については「55.連用のまとめ」を参照して下さい。 文の基本構造を「補語(+補語)+述語」と考えると、その補語の名詞(句)のところ(および名詞述語)に節が入るのが名詞節で、その名詞を連体修飾するのが連体節、そして述語を修飾するのが連用節です。文全体にかかるもの、あるいは文法的には遊離しているものも、連用修飾の中で扱いました。引用節はちょっと別で、他の発話を現在の発話の中に取り込むものです。 まず、これらの従属節の性質をかんたんにまとめ、次に従属節どうしのまとまり方、そしてそれぞれが表す意味の関係を考えてみます。59.1 ...2019.02.25 14:34
58. 引用 58.1 引用とは 58.2 直接引用の問題点 58.3 間接引用の問題点 58.4 「ように」の問題 58.5 引用と否定58.1 引用とは58.1.1 直接引用と間接引用 話し手(いつものように「書き手」も含みます)が誰かのことばを他の人に伝えようとしてそのまま繰り返したり、あるいは、その内容をことばを少し手直しして伝えることを「引用」と言います。(学術論文などで他の論文から「引用」するのはもちろん別です。)「引用」を示す形式は「と」などです。「話法」という用語も使われますが、これは、引用を含めた、より広い「話の伝え方」を表すことにします。引用のいちばん基本的な例は、次のようなものです。 1a Aさんは「明日の会には出られません」と言いました。 b Aさんは今日の会には出られないと言いました。 2a AさんはBさん...2019.02.25 14:14
57. 名詞節(2) 57.1 概観 57.2 「~の」と「~こと」:述語の種類 57.3 V-ところ 57.4 「~か(どうか)」:疑問節 57.5 「~のは/のが ~だ」:強調構文57.2.11 名詞節を含む名詞文 「Nは/が Nだ」という名詞文で、二つのNのどちらかが名詞節となる形は意外に多くあります。両方とも名詞節になる場合はそれほど多くないです。 まず、どちらかが名詞節である場合をとりあげます。[名詞文の二つの型(復習)] その前に、基本的な名詞文の型を復習しておきましょう。 Ⅰ 説明型 あの人は田中さんです。 「AはBです」の「A」の属性を説明する文で、「BがAです」とは(ふつうの文脈 では)言えない。 ×田中さんがあの人です。 ...2019.02.24 09:38
57. 名詞節(1) 57.1 概観 57.2 「~の」と「~こと」:述語の種類 57.3 V-ところ 57.4 「~か(どうか)」:疑問節 57.5 「~のは/のが ~だ」:強調構文57.1 概観 基本述語型の名詞のところに「(補語+)述語」が入るものを名詞節といいます。基本述語型の名詞の後に助詞がついて補語になるわけですが、名詞節の述語のすぐ後に助詞がつくことはまれで、「の」か「こと」が間に入って述語と助詞をつなぐのがふつうです。 基本述語型の述語はいろいろな補語をとりますが、ある種の補語をとりうる述語は限られています。それと同じように、名詞節をとりうる述語も限られています。また、主節の述語の種類によって、名詞節の中の述語に対する制限も違ってき...2019.02.24 08:44
56. 連体節(2) 56.1 概観 56.6 「という」 56.2 内の関係 56.7 連体の重なり 56.3 外の関係 56.8 連体修飾の機能 56.4 連体節の中の要素 56.9 名詞述語となる連体節 56.5 連体節のテンス・アスペクト 56.4 連体節の中の要素 内の関係の連体節は独立性が低く、その中の要素に対する制限が強いです。それに対して、外の関係の連体節には、独立した文に近いものがあります。 節内の要素をいくつか見てみます。テンス・アスペクトは大きな問題なので別にとりあげます。56.4.1 連体節の中の複合述語 内の関係の連体節の中の述語には形の制限があります。「節」というのは文相当の内容を持っているわけですが、単独の文と比べると、文としての独立性が相当失われています。名詞を修飾するということからくる制約があるのです。 まず...2019.02.24 06:48
56. 連体節(1) 56.1 概観 56.6 「という」 56.2 内の関係 56.7 連体の重なり 56.3 外の関係 56.8 連体修飾の機能 56.4 連体節の中の要素 56.9 名詞述語となる連体節 56.5 連体節のテンス・アスペクト 56.1 概観 連体節とは、連体修飾節、つまり「名詞(体言)を修飾する」節です。 この 本 ここにある 本 事故の ニュース 飛行機が遅れる という ニュース 左の二つは「連体詞」と「Nの」による例で、右の二つが連体節の例です。「この」と「ここにある」の機能は同じで、「本」一般あるいは他の本ではなく、...2019.02.24 06:18